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問題解決ノート

問題解決のためのアイデアノート。IT、コンサル、仕事効率化など。
2010/03/18 – 18:00 

7割は課長にさえなれません

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城繁幸さんの『7割は課長にさえなれません』を読みました。本書を読むと、日本の雇用問題が良くわかります。安定した大企業に入社して終身雇用を希望すると回答した学生の割合が過去最高であるという調査データもあります。しかし、定年まで勤めるうちに誰もが課長や部長といったポストを得られる年功序列・終身雇用制度は、2つの前提によって成り立っています。

1つ目は経済が発展し続けていること。高度経済成長期では次々とポストを増やしても、それと同じくらいのスピードで経済が成長していたので問題にはならなかったかもしれません。が、現在のように経済成長が停滞しているときに、ポストを減らすことはあってもこれ以上増やすことなど出来ないのです。

2つ目は、増え続けるポストを支えられるだけの若者の存在です。しかし少子高齢化が進み人口ピラミッドがつぼ型になっている現代の日本において、それは不可能なのです。
つまり、年功序列・終身雇用制度は仕組み上、とっくに破綻しているのです。

にもかかわらず根本解決に取り組まず、若者・派遣・女性といった弱者から搾取することで既得権益者を守り、無理のある延命措置によって将来にツケを回そうとしているところに日本の大きな問題があります。例えば、年功序列精度は年齢によって給与が決まり、賃金カーブは50台でピークを迎えるようになっています。しかし景気の悪い昨今で、年齢と共に全員の給与を一律で上げていたら会社は倒産します。そうなると当然雇用調整が必要になるのですが、正社員を簡単に切れない日本においては、まずは新卒採用を凍結することから始まります。次は派遣切りです。加えて結婚や出産を機に女性を退職させることで、安月給で働かせるだけ働かせて、年功序列の美味しい果実の部分は与えずに済ませているわけです。

年功序列制度の弊害はそれだけではありません。例えば入社2年目の正社員と同じような仕事を任されている30歳の派遣労働者がいるとします。であるならば、入社2年目の正社員と同程度の賃金で正社員として雇えば良さそうなものですが、年功序列制度ではそれが不可能なのです。なぜならば一旦正社員として採用すると、給与は職務能力によって決まるのではなく、30歳という年齢で決まってしまうからです。となると、入社2年目程度の技能しか身につけていないにもかかわらず30歳の正社員と同じ水準の給与を払ったのでは割に合わないため、派遣労働者はいつまでたっても正社員にはなれないのです。院生が就職しにくいのも同じ理由です。

これはどういうことか。

極論すればつまり日本は、何らかの理由によって一旦新卒一括採用というレールから外れてしまった人には、よほど優秀な人でもない限りもうチャンスが与えられない国なのです。加えてこういった現状を、彼らから搾取することで自分達が守られているにもかかわらず、既得権益者達の「自己責任」の一言で済まそうとしているのが、現状なのです。

「真に再チャレンジ可能な社会とは、失敗の存在を前提に設計された社会のことだ」

と本書にありますが、人間である以上誰でも失敗する可能性はあるわけですし、経済も好不況の波があり、雇用調整の必要上失業は必ず存在するのです。失敗が許されない今の構造は、人間が暮らす社会として適切だと思えません。今日本がやっているのは将来にツケを回す延命措置に過ぎないと思うのですが、何故日本の政治は根本的な問題の解決に踏み出さないのか。結局若者のために改革を唱えても、若者は選挙に行かないので、議席が取れないのです。

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Posted on 2010/03/18 by 河村 拓. This entry was posted in ワークスタイル. Bookmark the permalink.
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2 Comments

  • ぼってぃー
    2010/03/18 - 21:02 | Permalink

    はい! 新卒一括採用のレールから自分の意思ではみ出してしまいました!
    日本の現状を知っていくにつれ、自分のこれから先がどうなっていくのかどんどんわからなくなってきています…。ベーシックインカムに興味を引かれてしまうくらい弱気になっていたり。
    できることからコツコツと。まずは選挙ですかね!

  • TAKU
    2010/03/18 - 21:31 | Permalink

    ぼってぃーさん
    私もはみ出しているので、似たもの同士ですね!
    私の場合は目当ての会社の新卒採用セミナーにもぐりこんで、一通り話した後「4月に大学卒業済みなのですが、いいですか?」って聞いたら、「いいよ」って言われました。
    日本の現状を見ると気分が滅入るかもしれませんが、自分が持っているもの、自分の力でどうにかできることに目を向けて、まずはそこに働きかけるのがいいかもしれませんね。
    またご飯でも食べに行きましょう。

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    1985年9月6日
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