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問題解決ノート

問題解決のためのアイデアノート。IT、コンサル、仕事効率化など。
2008/06/15 – 11:57 

『スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない!』

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竹内一正さんの著書、「スティーブ・ジョブズ神の交渉力―この「やり口」には逆らえない!」を読んだ。
私はジョブズに、信念を貫き通す勇気をもらった。
21歳でアップルを創業し、25歳で株式上場し大富豪に。
iPodは一億台以上のメガヒットになり、音楽業界から世界のライフスタイルを変えようとしている。
また経営するピクサーでは、トイ・ストーリーなどのCGアニメーションを駆使した数々のアニメ映画を世に送り出し、大ヒットを続けている。
そして今、iPhoneによって携帯市場をも征服しようとする。
こうしてみると非常に華やかな人生だが、別の視点から見ると実はピンチの連続でもあったことが分かる。
自ら創業したアップルを自己中心的な性格が災いし30歳で追い出され、その後作った2つの会社、ネクストとピクサーは赤字続き。
2つの会社の経営を続けるため、ジョブズは自らの資産をあてつづけた(その間10年)。
アップルによるネクストの回収と言う形でようやく舞い戻ったアップルも赤字で、以前のブランド力は既に失っていた。
しかし、どんなピンチもジョブズはことごとく叩き潰してきた。
本書はそんなジョブズの持つ強靭さを、「ビジネスへの執念」と「神のごとき交渉力」という切り口から解明する。
ジョブズははっきり言って、超自己中心的でわがままだ。
こんなエピソードがある。
あるアップルファンの取材者がジョブズにインタビューした際のやり取りだ(インタビューのやり取りは当たり障りがなく、好意的なものだった)。

 「さて、現在あなたは四四歳ですが、もし二五歳のときの自分にアドバイスをするとしたらどんなことを言いますか」と聞いたときだった。
「こんなバカげた取材なんか受けるんじゃない! と言うね」
 ジョブズを引き立てたかった取材者はショックを受けた。そこに追い討ちがかかる。
 「オレはこんな最低なことに時間を使うほど暇じゃない」
 これで取材は終わった。

「私は以前、薬物中毒のロック歌手なんてのも取材したけど、もっとましだったよ」とは取材者の後日談だ。
「マスコミ関白」もジョブズの前では「ジョブズ関白」に逆転してしまうという著者の比喩は超面白かった。
このようなわがままぶりが災いすることもあるが、時に飛び切りの成果を生み出す。
ジョブズは「ノー」を受け取らない、「出来ない理由」に興味がない。
悪く言えば現実を見ようとしないが、だからこそ究極の理想から発想を始められ、現実をひざまずかせ革新を起こす。
マッキントッシュ誕生秘話が面白い。

 さて、手に入れたマッキントッシュ・プロジェクトの当初の開発期間は、なんと一二ヶ月だった。不可能と断言できる日程だ。ジョブズだけが、そう考えなかった。彼は、不可能な要求を突きつけ、技術者たちの「ノー」が耳に達する前に消えてしまう戦術を取った。
 ある日、若きジョブズは設計会議で、持っていた電話帳をいきなり机の上に放り投げた。そして、マッキントッシュの大きさに注文をつけた。
 「大きさはこれ。消費者に受け入れられる限度だ。これ以上大きくすることは許さない。」
 次に形にこだわった。
 「ずんぐりした四角いコンピューターにはあきあきだ。横長じゃなく縦長にしたらどうだ」
 技術者たちは唖然とするしかなかった。

ちなみに当事一番小さいコンピューターでさえ、電話帳の倍はあったそうだ。
まるで現実を見ないで、不可能な要求を突きつけたのだが、結果はどうだったか。
ジョブズという「乱世」がシリコンバレーの技術者のチャレンジ精神に火をつけ、不眠不休で製品作りに格闘させた。
どんな言い訳も聞かず、「期待している、君たちなら出来る」と言い続けた。
それが彼らの自尊心に火をつけ、「世界を変えるようなものを作ってやる」という野望が無謀を可能に変えた。
どんな現実の前にも妥協せず、最高の結果だけを「わがままに」求めたからこそ、革新が生まれたのだ。
ジョブズの交渉術も「わがまま」だ。
ジョブズは自分と相手の立場に関係なく、必ず相手のキーマンにアタックをかける。
エレクトロニクスに強い興味を持ったジョブズは13歳のころ、周波数カウンターを作ろうと考えた。
しかし部品が足りない。
さてどうするか。
なんと、13歳の子どもがヒューレット・パッカードの社長ビル・ヒューレットにいきなり電話をかけ、20分も話した挙句、部品を送ってくれと頼んだのだ(ちなみに成功し、夏休みに会社でアルバイトをしないかとも誘われる)。
年を経て丸くなるかと思えばとんでもない。
1976年の第1回パーソナルコンピュータ・フェスティバルで広告の必要性を感じたジョブズは、レジス・マッケンナ・エージェンシーに自社製品を扱ってくれるよう頼む。
しかし「設立間もないアップルは当社に見合わない」と断られる。
あきらめて他を探すかというと、とんでもない。
彼はその後1週間電話をかけて新製品を見てほしいと言い続けた。
ついに製品を見てもらうことに成功するが、そこでも断られてしまう。
今度はキーマンであるマッケンナに毎日3回も4回も電話をかけ、ついには本人と話すことに成功し、事務所に呼ばれた。
マッケンナは直接会ってあきらめさせるつもりだったが、ここでジョブズは契約するまで帰らないと駄々をこねる。
気がつくとマッケンナは取引に合意していた。
この「わがまま」な交渉力は資金集め、取引など、様々な面でピンチをチャンスに変えた。
しかし、ジョブズのこれだけの傍若無人な強靭さを支えるものはいったい何だろうか。
それはお金ではないことは確かだ。
30歳でアップルを追い出されたジョブズには、数百億の資産があった。
この時点でリタイヤしても、十分贅沢に暮らせるだけの財力は持っていたのだ。
しかしジョブズはその財産を用いて、2つの会社を経営すると言う新たな挑戦を選んだ。
赤字が続き、資産がついに数十億円まで減っても頑なにあきらめなかった。
今の彼は年俸1ドルのCEOである。
著者はジョブズの強靭さを支えるものを、ビジネスへの執念だと言う。
私もそう思う。
「The only way to do great work is to love what you do.」とはスタンフォード大学卒業式での彼の言葉だが、これが全てだろう。
彼は自分の仕事と、その挑戦を愛しているのだ。
彼の挑戦し、革新を起こし続ける姿は、私を含めどれだけの人を勇気続けているのだろうか。
最後に著者の名文を紹介して、終わろうと思う。

 負けが込んでいるときは、戦いの土俵から降りることも現実的な選択だと、世間では教える。傷口を広げないために「賢明な判断だ」と表現し、周りも納得する。
 だが、「あきらめない」という凡人にとっては賢明と思えない判断にも、勝機はある。最後の最後まで土俵から降りないとき、突然道が開ける。そんな例が私たちの周囲にも少なからずあるはずだ。ジョブズも、ピクサーとネクスト社での「暗黒の一〇年間」の戦いで、それを証明してくれた。

以下、自分用のメモ
●3分間で100億を生むプレゼンは、製品を熱く語り、ビジョンを信念で包むことで生まれる(じらし、起伏、完璧な照明)
●ダムにためた水の量が多いほど、放水時の勢いは増す
●恩や義理などの過去のしがらみで判断を鈍らせてはならない。いいリーダーの条件は、過去のしがらみに左右されないこと。
●強靭にかなえたいことは、相手の手柄を奪ってでもかなえるべき
●嫌なことをやり遂げてやっと好きなことが出来る
●常識の限界で立ち止まっている部下には背中を蹴飛ばしてやる
●市場調査に頼って商品を作ると「ちょっといいもの」で終わる
●障害は全て自ら取り除く
●ピンチは嘆くものではなく、乗り越えるものだと考える人だけが、チャンスの入り口に立てる
●斬新な商品がヒットするには、競争に勝つ前に、固定観念に打ち勝たねばならない

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Posted on 2008/06/15 by 河村 拓. This entry was posted in スティーブ・ジョブズ. Bookmark the permalink.
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