| 日本人なら知っておきたい古代神話 (KAWADE夢新書) | |
|  | 武光 誠 河出書房新社  2005-07-21 おすすめ平均   | 
武光誠氏の『日本人なら知っておきたい古代神話』を読みました。『古事記』や『日本書紀』に書かれた日本の古代神話を分かりやすく解説したものなのですが、これが面白い。まず古代神話では巨大神イザナギノミコトとイザナミノミコト夫婦によって日本は創られたとされているのですが・・・。
イザナギノミコトとイザナミノミコトは点の御柱をまわり、まずイザナミが「なんとよい若君よ」といい、ついでイザナギが「なんとよい姫君よ」と声をかけた。このあとふたりは子どもをもうけたが、生まれたのは意にそわないヒルコだった。
ヒルコが生まれたあと、夫婦の神は天の神々に何が悪かったのか、お伺いをたてた。そして、「男性が先に声をかけるように」と言われてそれに従ったところ、つぎつぎによい子どもをさずかることになった。
女性であるイザナミから先に声をかけたところ意に沿わない子どもが生まれたが、男性であるイザナギから先に声をかけたときにはよい子どもが生まれたそうです。我々の祖先たちはこの物語を用いて、「男性が中心になって家庭を営んでいく」という教えを広めようとしたそうなのです。当時はこれがありがたいお話だったのかもしれませんが、今にして思うとなんともチープな理屈ですね。
さて次々と子どもを産んだ二人の神々ですが、火の神であるカグヅチを生んだ際に、イザナミがカグヅチの炎に焼かれて死んでしまいます。死んでしまった妻を何とか取り戻そうと黄泉の国へ向かうイザナギですが、このときに彼はウジがたかって腐った妻の死体をみてしまいます。自分の恥ずかしい姿を見られたイザナミは怒ってしまい、ヨモツシコメという醜い女性達に夫をとらえさせようとしたのです。このときの対立で、イザナギは黄泉の国への入口を巨大な岩でふさいでしまいます。こうして人々が住む日本列島と、死者の住む黄泉の国とが簡単に行き来できない世界であるという概念が説明されたのですが、しかしこのときのイザナギの逃走劇がまた笑えます。
イザナギノミコトが冠にしていた蔓草がヤマブドウになったので、醜女は夢中になってヤマブドウの実をむしりとって食べたという。
どうやらシコメたちはヤマブドウが気になってしまい、イザナギどころではなくなってしまったようです。しかしヤマブドウはすぐに食べられてしまいます。
そして、ヤマブドウを食べ終わった醜女が迫ってくると、イザナギノミコトは櫛の歯を投げた。すると、それがタケノコに変わった。醜女はタケノコもむさぼり食ったが、タケノコは何枚もの皮におおわれている。そこで、醜女がタケノコの皮むきに手こずっているあいだに、イザナギノミコトは遠くに逃げきってしまったという。
最後のオチが、「竹の子の皮むきにてこずって」って・・・。神様なのにろくな部下がいなかったようですね。さて全体的に色々と突っ込みどころが多い日本の古代神話ですが、これだけ手の込んだ物語を創ることで天皇の権威を正当化しようとしたという点には注目する価値があります。いつの世も「物語の影響力」は大きいのですね。日本の起源が物語にあったわけですから、これからのビジネスでも物語の力は強力な武器となりそうです。
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