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問題解決ノート

問題解決のためのアイデアノート。IT、コンサル、仕事効率化など。
2012/02/18 – 14:06 

ビジネスマンに決してならなかったジョブズ

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2008年4月11日に『スティーブ・ジョブズ-偶像復活』を読んで、私はすっかりジョブズを尊敬するようになりました。それ以来ジョブズに関する本はかなり読んできたつもりですが、彼の死後に出版された公式伝記『スティーズ・ジョブズⅠ・Ⅱ』を読み、彼の偉大さについて新たな発見がありました。それは、彼は決してビジネスマンにはならなかったということです。

1.アップルの好調時と低迷期では何が違ったか

ジョブズが一度アップルから追放され、その約10年後に復帰するまでの間、アップルの業績は低迷する一方でした。ジョブズがいるときのアップルとそうでないときのアップルで何が一番大きく違ったかというと、「すごい製品を作ること」と「金儲けをすること」の順番です。

「スカリーがなまくらな連中となまくらな価値を持ち込み、アップルをだめにしたんだ。あいつらが気にするのは金儲け―主に自分達のためだけどアップルにも儲けさせようとした―であって、すばらしい製品を作ることじゃなかった」

ジョブズを追放した当時のCEOであるスカリーは、自社の製品に関することはほとんど理解していませんでした。彼は素晴らしい製品を作り世の中を変えることよりも、いかに利益率を上げるか、儲けるかを考えるほうが好きでした。結果、アップルの製品は次第にコモディティ化し、倒産寸前にまで追い込まれてしまいます。

2.アップルの目標は、すごい製品を作ることである

アップルの業績悪化を受けてジョブズが復帰すると、ジョブズはまず自分たちの使命は何なのかを社員に思い出させることから始めました。

「あの日、我々の目標はお金を儲けることだけでなく、すごい製品を作ることだとスティーブが言い切ったことをよく覚えています。」

上記はジョニー・アイブのコメントですが、、今でこそアップルを代表する一人であるデザイナーの彼も、ジョブズ復帰前はすごい製品や美しいデザインを生み出すことが評価されない職場に嫌気が刺し、辞めることを考えていました。しかし、ジョブズの復帰と、彼のメッセージを受け、アイブを含めた多くの優秀な人材が「アップルでならすごい仕事ができるんじゃないか?」と再び考えるようになりました。

3.原動力は営業ではなく、製品である

いい仕事をした会社がイノベーションを生み出し、ある分野で独占かそれに近い状態になると、製品の質の重要性が下がってしまう。そのかわり重く用いられるようになるのが、”すごい営業”だ。売上メーターの針を動かせるのが製品エンジニアやデザイナーではなく、営業になるからだ。その結果、営業畑の人が会社を動かすようになる。IBMのジョン・エーカーズは頭が良くて口がうまい一流の営業マンだけど、製品については何も知らない。同じことがゼロックスにも起きた。

営業畑の人間が会社を動かすようになると、製品畑の人間は重視されなくなり、その多くは嫌になってしまう。スカリーが来たときアップルもそうなってしまったし―これは僕の責任だった―バルマーがトップになったときマイクロソフトもそうなった。幸いなことにアップルは立ち直れたけど、マイクロソフトはバルマーが経営しているかぎり変わらないだろう。

「一番じゃない製品を売るために営業がいる」という言葉をたまに聞きますが、私はこの言葉が大嫌いです。営業は、顧客の悩みを知り、なぜ自社の製品が顧客にとって一番の解決策であるかを考え、その問題を解決する支援をするためにいます。二流や三流の製品を、ベタベタな営業で売るためにいるわけではないのです。

そんな営業スタイルは決して顧客視点ではないし、そんな考えが出てくるのは自社が儲けることを出発点に考えている証拠なのです。少なくとも、アップルではそのような考え方は決してしません。

僕は、いつまでも続く会社を作ることに情熱を燃やしてきた。すごい製品を作りたいと社員が猛烈にがんばる会社を。それ以外はすべて副次的だ。もちろん、利益を上げるのもすごいことだよ?利益があればこそ、すごい製品を作っていられるのだから。でも、原動力は製品であって利益じゃない。スカリーはこれをひっくり返して、金儲けを目的にしてしまった。ほとんど違わないというくらいの小さな違いだけど、これがすべてを変えてしまうんだ―誰を雇うのか、誰を昇進させるのか、会議でなにを話し合うのか、などをね。

4.記録よりも、記憶に残る仕事をする

ビルは自分を”製品タイプ”の人間に見せたかったけど、本当のところはそんなタイプじゃなかった。彼はビジネスマンなんだ。彼にとっては、すごい製品を作るよりビジネスで勝つほうが大事だった。世界一の金持ちになったし、それが目的だったのなら達成できたわけだ。(中略)マイクロソフトのDNAに人間性やリベラルアーツはあったためしがない。マックを見ても、それを上手にコピーできなかった。本質がわからなかったんだ。

創業時から死ぬ時まで一貫して、すごい製品を生み出し世界に衝撃を与えることを目指したジョブズは、本当にすごいと思います。確かにビル・ゲイツもビジネスマンとしては優秀で、経済的に大成功をおさめたのは間違いありません。パーソナルコンピューターを普及させる上でも多大な貢献を果たしています。
しかし、人々の記憶に残る仕事を果たしたのはジョブズの方だと、私は思っています。

儲けることと、すごい製品を生み出すこと、この2つの順番を決して間違えなかったことが、ジョブズがいつまでも記憶に残るような製品を生み出せた大きな要員だったのだと、本書を読んで感じました。

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Posted on 2012/02/18 by 河村 拓. This entry was posted in スティーブ・ジョブズ and tagged ジョブズ. Bookmark the permalink.
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takukawamura 河村 拓 / Taku Kawamura
1985年9月6日
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