rss hatena Clip to Evernote facebook Twitter

Author Archives: 河村 拓

『28歳までに他社からスカウトされる人脈術』

坂田篤史さんの著書、「28歳までに他社からスカウトされる人脈術」を読んだ。
「なぜ人脈が重要なのか」「どうすれば人脈が築けるのか」に興味があった私にとって、本書は満足の内容だった。
人脈の持つ重要性とは何か。
本書を読んで私は、それはビジネス上のやり取り以上に、自分自身の可能性を広げ、ビジョンを実現するチャンスをつかめることにあると感じた。
本書に以下のような言葉がある。

「成功したいのなら、成功している人たちの中にいなさい。そうすれば、いつか自分もそうなれるから」

成功している人たちに触れることで、どのように彼らが成功したのかを知り、それを自分の行動につなげることができるのだ。
また、人脈によって知恵が集まれば、一人では解決できない問題を解決したり、それによってより多くのチャンスをつかめるというメリットもある。
では、優れた人脈を築くにはどうすればいいのか。
本書を読んで私は、以下の2つが最も重要であると感じた。
1つ目は自己投資だ。
人脈は、自分が相手に何かをしてもらう関係ではなく、お互いが協力し合える関係でなければ成立しない。
自分が必要とされる人間でなければ、人から必要とされるような人物と人脈を築くことはできない。
よってまず必要なのは、自分が魅力的な人材になることである。
そして2つ目が、相手の幸せに貢献したいと純粋に思う心、愛や誠実さである。
そもそも相手を利用してやろうとか、都合のいいときに何かしてもらおうという邪な考えでいては人と本当の信頼関係は築けない。
変わりに相手にも何かをしてもらおうといった見返りを求めず、純粋に相手のことを思って行動できる人こそが人から信頼され、「この人と関係を持ちたい、一緒に仕事がしたい」と思われる。
場合によっては口コミで噂が広まることもあるだろう。
そうして人脈は広がっていくのだ。
結果としては多くの見返りを得ることになるのだが、その根底には見返りを求めない愛や誠実さがなければならないのだ。
人脈と言うと人を何か便利な道具として利用するような響きを覚えることもあるが、それが「人の役に立ちたい」「正しいことをしたい」と思う人たちに結果としてもたらされるものだとしたら、私も築いていきたいと思った。
以下、自分用のメモ
●なかなか自己投資できていないときは、自分の人生のプライオリティーを考えてみる
●休日に自腹を切ってセミナーに参加するような人と関係を持てば、質の高い人脈が築ける
●人脈を築くには、自分を知ってもらう努力が必要
●セミナーに参加する前日に講師にメールを送る、セミナー後は手紙を書く―少数派の行動をとることで一歩前に出る
●個人ブランドの作成―個人名詞(実績と実力のみで自分を定義)、プロフィール・シート(経歴や実績に加え、趣味、ブログのアドレス、座右の銘や心情などを入れておく)
●営業ではまずプロフィール・シートを渡す(自分を知ってもらい、聴く姿勢になってもらう)
●自分のキーワード・売りは何か
●自分のビジョンを実現する上で大切なこと、それは「誰かのためのビジョンになっているか」であり、そういう志を持つ人が回りから応援される

28歳までに他社からスカウトされる人脈術
28歳までに他社からスカウトされる人脈術 坂田 篤史

ダイヤモンド社 2008-04-18
売り上げランキング : 7862

おすすめ平均 star
starconfidence
starシンプルな思考に驚かされました
starこれならできそう

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!』

ケネス・ブランチャードさんの著書、「1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!」を読んだ。
本書で紹介する「一分間マネジメント」は大変良い内容になっている。
これが1983年に書かれたというのがすごいのだが、現在ではよく知られている(実践されているとは限らないが)手法だとは思うので、今回は簡潔にまとめだけしようと思う。
<一分間目標設定>
●明確な目標を確認する
●良い行動とはどういうものかを知らせる
●毎日目標を確認する
●自分の行動が目標と合致しているか逐一確認する
<一分間称賛法>
●うまくいったらその場ですぐ褒める
●具体的にどこがよかったのか伝える
●自分がそれをどう感じたかを伝える
●引き続きがんばるよう励ます
<一分間叱責法>
●まずは部下がやっていることをはっきりと曖昧ではない言葉で指摘することを前もって伝えておく
●間違った点はすぐ叱る
●具体的に何が問題化を伝える
●部下自身ではなく行動に対して叱ったのであって、部下自身は高く評価していることを思い出させる

人間を管理するときは、人間の行動と価値とは同じものではない、ということを念頭におくことがきわめて大切なんだ。

目標が行動を促し、成果が行動を持続させる

1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか!
1分間マネジャー―何を示し、どう褒め、どう叱るか! 小林 薫

ダイヤモンド社 1983-02
売り上げランキング : 3109

おすすめ平均 star
star評価通りだと思います
starほんとに一分間?
starすべてはここから始まる「聖書」

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”』

野口嘉則さんの著書、「3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”」を読んだ。

人間の行動の動機は、突き詰めていくと愛か怖れのどちらかしかない

私はこの言葉に感動せずに入られなかった。
人は生きていく限り、様々な場面で選択や判断を下すことになる。
そのとき、もし迷うことなく、揺ぎ無い自信を持って何事にも対処できる人がいるとすれば、それは確固たる中心軸を自分の中に持っている人だろう。
著者は、その中心軸を定めることが、真の豊かさを実現するには不可欠だと言う。
その中心軸とは、「自分が人生において最も望むもの」である。
多くの人はこれを知らないがゆえに、起こる出来事に振り回され、感情や衝動に流されるのだと言う。
なぜ「自分が人生において最も望むもの」を知らないのか。
それは、本当の幸せが何かを知らないからだ。
人が人生において最も望むもの、それは幸せである。
では幸せとは何か?
人に認められたいと言う感情がある。
これは周りの人間の価値観に振り回されることだ。
これは「怖れ」に基づいて行動した結果である。
人から見限られることへの怖れ、相手にされなくなることへの怖れ、つながりを失うことへの怖れだ。
同時に、自分の存在価値に自信をもてなくなることへの怖れでもある。
それは自分らしさを埋没させることであり、自分を愛せなくなることでもある。
つまり、怖れに基づいて、自分を回りにあわせようとしている限り、「本当の自分自身」の幸せは訪れないのだ。

本当の幸せは、愛に生きるとき、もたらされる。

行動(doing)や結果(having)ではなく、自分自身(being)を認めること、自尊心を他人から認められることによってではなく、自分で満たすこと。
そうすれば、怖れに基づいて行動する必要はなくなる。
周りに依存することなく、自分が一番大事にしているものを軸に行動できる。
そのときに気付く、幸せは求めるものではなく、今ここに見出すものだということを。
当たり前だと思っていることの中にこそ、感謝すべきことがあることを。
The Beatlesの有名な曲に、「All You Need Is Love」がある。
ある人が「愛さえあればいいなんて空想だ。お金がなければ何もできない」と言っていた。
私は確かにそのとおりだと思うとともに、でももし愛さえあれば皆が幸せになれる世界があればそれはそれで素敵だと思った。
しかし、John Lennonの言いたかったことは真実だったのだと、今は確信している。
豊かさを人から奪おうと言う怖れではなく、相手を幸せにしようと言う愛に基づいて行動したとき、皆が幸せになれるということをJohn Lennonは知っていたのかもしれない。

There’s nothing you can do that can’t be done
(中略)
No one you can save that can’t be saved
(中略)
All you need is love

君ができることで、できないことなんてない。
目の前の人に手を差し伸べられない理由なんかない。
必要なのは、愛だけなんだ、と彼は言いたかったのかもしれない。
以下、自分用のメモ
●「相手を幸せにしよう、喜ばせよう」という気持ちが愛。つまりはそもそも社会貢献しかないのだ。従業員、顧客、取引先、家族などから始めて幸せの輪を広げていくことが社会貢献である。
●DoingやHavingに焦点を当てられて育つと、自分のBeingに自信がもてなくなる
●私たちは「Something great」につながっている
●幸せを生む愛は、相手の幸せに貢献しようとするとともに、相手の感じていることを尊重する愛

3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密”
3つの真実 人生を変える“愛と幸せと豊かさの秘密” 野口嘉則

ビジネス社 2008-05-13
売り上げランキング : 1987

おすすめ平均 star
star自分は本当になにを望んでいるのか?
star基礎力のある方にお勧め
star忘れません。

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!』

梅田望夫さんの著書、「ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!」を読んだ。
次々とイノベーションが起こるシリコンバレーの本質を現地から伝えてくれる梅田さんの著書は、いつも私に興奮を与えてくれる。

起業することや、スタートアップに関与することは、エキサイティングなスポーツに参加するようなもの。リスクは大きいが、その分、報酬もでかい。

上記は本書で紹介されているゴードン・ベルの言葉だが、私自身もこのエキサイティングなスポーツに参加したい、常にアントレプレナーシップを持ち続けたいという思いを本書を読んで再確認した。
今回面白かったのはまず、「チームワーク」というテーマである。
アップルなどを見ているとシリコンバレーの創造性は一人のカリスマ的な天才によって生み出されていると思われるかもしれないが、実は徹底したチームワークこそが力の源泉のようだ。
実態は、非常に優秀なメンバーの集合体が会社を爆発的な成長へと導いていると梅田さんは言う。
そしてここに出てくる「個」は優秀であると共に、共通の価値観を持って共に仕事ができる人でなければならない。
興味深いのはその最新で最高の例として紹介されているGoogleである。Googleという会社は「誰でもすべての情報にアクセスできる環境を作ることが個をエンパワーし、世界をよりよくする」という信念の元にトリプルAクラスの超優秀な個が集まっている。
そこで行われているのは「全員のコンセンサスに基づく意思決定」である。
人から言われて何かをするのに慣れると創造性が奪われてしまう。
だからこそ誰よりも創造的であろうとするGoogleは、社員が何事も納得した上で仕事をさせたいのだろう。
そして、社員の誰もが納得した上で意思決定をする秘訣は、徹底した情報共有と、データと言う平等なファクトに基づく議論である。
また、意思決定をよりイノベーティブに行うため、「次の大きなブレークスルーはなんだろう」といった具合に質問することで社員に常に考えさせるのもポイントだろう。
私は、今後の組織はこのGoogleのような「社員全員で納得して仕事に取り組む」環境を目指す必要があると思う。
物質的に満たされている現代社会において、もはや金銭的報酬のみでは私たちは満足して働けない。
だからこそ、自分たちの仕事は何のためにあるのか、これがとても重要になってくる。
使命感を強く感じられる職場でなければ社員のやる気を引き出すことはできなくなる。
また、価格競争や技術力競争には限度がある。
今組織に必要なのは新しい価値を生み出す創造性、イノベーションである。
常に社員が頭を働かせて新しい価値について考えている会社ほど強くなる。
このような姿勢は、主体性によって生み出される。
社員全員が当事者意識を持てるような環境、つまりは全員で納得して意思決定する環境こそが必要なのだ。

データを徹底的に集めファクトをしっかり把握したうえで行う合理的な思考、情報共有を徹底したうえでみんなの合意によって行う意思決定、質問によって運営することでつくるイノベーションを生む風土―この三つは新しい時代のマネジメントの黄金則だと私は考えています。

梅田さんのこの言葉には真実があると思う。
本書の最後にスティーブ・ジョブズのスタンフォード大学でのスピーチが紹介されており、それを何度も読んで聴けば、そこから必ず何か得ることがあると梅田さんは信じているという。
すでに原文を手帳に書き写し、iPodに実際の映像を入れて繰り返し見ている私も、まったく同感だ。
以下、自分用のメモ
●ベンチャーには大企業のようなモノやカネはない、だからこそ「人」とその「チームワーク」でやるしかない
●ベンチャーの出発点には、信念と情熱を持ったリーダー、タフで優秀な技術者、マネジメントに長けた人材の三位一体が必要
●信頼し、尊敬できる人とともに力いっぱい働くこと、よいチームで走ることが重要
●Aクラスだけで行動重視の会社を作る
●アントレプレナーはマイクロマネジャー

ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く!
ウェブ時代 5つの定理 この言葉が未来を切り開く! 梅田望夫

文藝春秋 2008-02-28
売り上げランキング : 6160

おすすめ平均 star
starデブ会社とは?
starシリコンバレーの躍動
starFacebook: SNSにおける日本と海外の違い

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))』

P.F.ドラッカーの著書、「プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編)) 」を読んだ。
本書を読むと、これからの労働者は組織に完全に依存するのではなく、自らのキャリアをマネジメントし、常に自分自身の責任において成果を挙げなければならないことを確信させられる。
以下にドラッカーの主張を簡単にまとめてみる。
労働人口が肉体労働者から知識労働者に移りつつある現代社会において、組織と労働者の関係はまったく新しいものになっている。
歴史上、働くものは何を行うか、いかに行うかなどを指示される存在だった。
知識労働者も組織があって初めて働くことができる点においては同様に組織に依存するが、しかし彼らは「知識と言う生産手段」を所有する点において自らを独立した存在たらしめる。
この新しい関係では組織もそこで働く個人も従来とは性質を変えざるを得なくなる。
まず組織は、この新しい関係では、忠誠心は報酬だけでは得られないことを知る必要がある。
組織は知的労働者に対し、その知識を生かすための最高の機会を提供することによって初めて彼らを獲得できるようになる。
また、資本と技術が仕事の生産性を高めるか損ねるかは、知識労働者がそれらを使って何をするかにかかっている。
よって今後組織は、一つの分野に優れた能力を持つ人がその強みを元に仕事を行えるよう、自らを作ることを学ばなければならない。
一方知識労働者は、自分の仕事を業績や貢献に結びつけるべく、すなわち成果をあげるべく、自らをマネジメントしなければならない。
組織の命令に従って行動する時代は終わったのだ。
自らの貢献について責任を負わなければならない。
そのためには意思決定をしなければならない。
よって、現代社会ではすべての知的労働者がエグゼクティブでなければならなくなる。
自らをマネジメントするとは、自らを最も貢献できる場所におき、成長し続けることである。
自らの属する場所を決めるには、まずは自分の強みを知らなければならない。
そしてその強みに集中し、更に伸ばし、行っても成果のあがらないことはやめることを学ばなければならない。
努力しても並にしかならない分野に無駄な時間をさいてはいけないのである。
また、属する場所を決める際には、自らの価値観も知らなければならない。
組織にも個人にも価値観があり、組織において成果をあげるには両者がなじまなければならない。
強みと価値観があわないときは、優先すべきは価値観である。
知識労働者は、自らの時間もマネジメントしなければならない。
時間の活用と浪費の違いこそ、成果と業績に関わる重大な問題だからである。
そのためには仕事を整理して、必要のない仕事は切り捨てる、任せられる仕事は他の人に任せることだ。
その際の優先順位の原則は、「過去ではなく未来」「問題ではなく機会」「横並びではなく自らの方向性」「無駄で容易なものではなく、変革をもたらすもの」を選ぶことだ。
われわれの平均寿命は延び、40年を仕事に費やせることが当たり前になった。
一方、現代は「変化」の時代であり、組織は不変であることを許されない。
一つの組織が30年以上も繁栄し続けるのは非常に難しくなっている。
つまり、一生を一つの組織に埋めることは不可能に近いのである。
これからは、組織は私たちの人生を保障してはくれない。
今まで以上に自分のキャリアに責任を持たなければならない。
ドラッカーの主張は我々に強烈なメッセージを突きつけると共に、より個人が解放される時代の到来に我々をわくわくさせる。

何によって憶えられたいか


ドラッカーがそうしていたように、私もこれを常に自分に問いかけたいと思う。
以下、自分用のメモ
●優れた仕事を行うためには、自らの組織の使命が社会において重要な●使命であるとの信念をもてなければならない。
●貢献とは、「直接の成果、価値への取り組み、人材の育成」の3つからなる。
●人間社会において唯一確実なものは変化
●時間を管理するには、まず自らの時間をどのように使っているかを知らなければならない
●会議は原則ではなく例外にしなければならない
●最初の仕事はくじ引きである
●IT革命により、地上の小さな市場を相手にするだけの中小企業でさえ、グローバルな競争力を必要とするようになった

プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編))
プロフェッショナルの条件―いかに成果をあげ、成長するか (はじめて読むドラッカー (自己実現編)) P・F. ドラッカー

ダイヤモンド社 2000-07
売り上げランキング : 268

おすすめ平均 star
star仕事に対する取り組みが明らかに変わる
star自己実現を考える上で外せない一冊
star《自己マネジメント》の必要性。

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 』

石田修大さんの著書、「急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 」を読んだ。
著者は石田修大さんであるが、中身はほぼソニーの元副社長、大曽根幸三さんがソニーで発した語録をまとめたものである。
「井深大はソニーの行くべき方向を示し、大曽根幸三は現場でその方法を示した」と言われるように、また、その語録が「金言」と比喩されているように、興味深いテーマが多い。
が、しかし残念なのだが本書は深みがあまりない。
160ページで58ものテーマを扱った結果、一つにつき2~4ページしか割けなかったのが一つの原因だろう。
もう一つは著者がまえがきにおいて自ら以下のように語っているのだが、本書も同じ罠にはまっている。

だが、語録の類は淵源をたどれば同趣旨の表現がいくつでも見つかる。大事なのは表現だけでなく、語録を残した人の体験であり、実感である。それが伝わるからこそ、語録は読む人の共感を呼び、働き方、生き方にまで影響を及ぼすのではないか。

本書では大曽根さん自身に関してあまり突っ込んだ分析がされていない、よって話のバックグラウンドに乏しい。
扱っているテーマに関しても、テーマ自体は面白いのだが、本質に迫るような突っ込んだ分析はなく、表面的だ。
だから、「正しいけどよく聴く話で、特に目新しさはない」というのが正直な感想だった。
繰り返すが、扱っているテーマ、そして少し垣間見えた大曾根さんという一人の人間像も非常に面白かっただけに、残念だ。
以下、自分用のメモ
市場は調査するものではなく、創造するもの
初めて世に出す製品が、故障が多い、こりゃだめだと思われてはおしまい
●後発メーカーは出遅れている上に、値段を安くしたり、よけいな機能を付加せねばならず、ハンデを負う
●上司がファジーだと部下はビジーになる
●会議で物事を決めるのは良し悪しで、10人が出席していれば責任も10分の1になり、実行の保証がない
●ゼロから1を生み出す人材を育てるのは組織ではなく風土
●資料なしでも説明はできる

急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 (角川SSC新書)
急ぎの仕事は忙しいヤツに頼め―ソニー元副社長・大曽根幸三の成功金言53 (角川SSC新書) 石田 修大

角川SSコミュニケーションズ 2008-03
売り上げランキング : 200691

おすすめ平均 star
starタイトルがもったいない
starすぐに役立つ言葉の集まりです
starソニー文化を知りたい人へ

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと』

マーカス・バッキンガムさんの著書、「最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと」を読んだ。
久々に日記の更新が夜になったが、それにはわけがある。
本書があまりにも面白く、じっくり読みたかったため朝読み終えることができなかったのだ。
はっきり言って、絶対に読んでおきたい一冊だ。
本書では、最高のリーダー、マネジャーがそれぞれ共通して持つ「たった一つのこと」、言い換えれば、彼らを最高たらしめている「隠れた原則」をとことん突き詰めている。
まず、両者は決して交換可能な役割ではない。
リーダーの役割とマネジャーの役割は100%異なり、出発点、必要な才能も違う。
当然、「たったひとつの隠れた原則」も異なる。
最高のマネジャーの「隠れた原則」、それは部下一人ひとりの特色を発見し、それを有効に活用することだと著者は言う。
仕事の質を保つこと、顧客サービスを徹底させること、基準を定めること、高い業績のチームを作ること、これらももちろんマネジャーの価値ある成果だ。
しかし、これらはあくまで「結果」であって、「出発点」ではないらしい。
出発点は、部下一人ひとりの才能なのだ。
それを表した、著者の絶妙な言い回しを聞いてほしい。

すぐれたマネジャーはチェスをする

チェッカーとチェスの一番の違いは、チェッカーの駒の動きはみな同じだが、チェスの駒の動きはそれぞれ異なる点だ。
チェスで勝ちたければ、駒それぞれの動きを覚え、全体的な戦略にそれらの特性を組み込まなければならない。

凡庸なマネジャーは部下を使ってチェッカーをする。
(中略)
要するに、凡庸なマネジャーは、マネジメントを、型にはめる仕事、与えられた役割を完璧にこなすように部下一人ひとりを作り変える仕事と信じているのだ。
(中略)
真のマネジメントは、解放することである。部下一人ひとりのユニークな貢献、要求、スタイルに完全な自由を与えるよう、つねに職場環境を整える仕事だ。

では、リーダーの場合はどうか。
最高のリーダーの「隠れた原則」、それはよりよい未来に向けて人々を一致団結させることだ。
そう、最高のリーダーの出発点は、未来なのだ。
はっきりとした未来のイメージこそが、リーダーを突き動かす。
多くの人が不安を感じる先行きの見えない「未来」、そこに明確なイメージを描き、皆を勇敢に導くのがリーダーなのだ。
ここでのキーワードは「明確」であることだ。

有能なリーダーは情熱的である必要はない。魅力的である必要もない。才気あふれる人物、親しみやすい人物でなくてもいい。弁舌に長けていなくてもいい。ただ明確であればいいだけだ。
(中略)
明確さへの欲求に答えてもらったときに、私たちのなかに自信と、ねばり強さと、活力と、創造性が生まれるということだ。

そして、著者はこのリーダーの「隠れた原則」を支える才能を、「楽観主義」と「自我」だと結論付けた。
苦境にあっても、鮮やかに明るい未来をイメージしてみせる。
「現実」と「可能性」の衝突に奮起し、前進することに心惹かれる。
天才的に楽観主義でなければ、こうはいかない。
そして、その苦境を照らすのは、明るい未来を実現させるのは「自分しかいない」と、己の全存在をかけて信じる自我がある。
リーダーは謙虚とは程遠い。
控えめな目標を設定する、控えめな夢を抱く、己の能力を控えめに評価する、これらはすべて不要なものだ。
上記だけでも大変なボリュームだったのだが、本書はまだまだこんなものではない。
上記の主張を正しいものだと確信させるに十分な検証が多く展開されている上、「隠れた原則」をどのように磨くべきか、どのように発揮させるべきかといったことまで扱われている。
また第Ⅱ部では、個人の継続的な成功についてあなたが知らなければならないたったひとつのこと、というテーマも扱われていて面白い。
どれも説得力があり、かつ明確な素晴らしい内容だ。
手元において何度も読み返したい、良書だった。
以下、自分用のメモ
●成功はバランスを求めるものには訪れない、アンバランスに偏った集中が跳躍のエネルギーになる。
●マネジャーが企業のために働く唯一の道は、まず部下のために働くこと
●優れたマネジャーに必要な才能は、教育本能と個々の違いを感じ取る能力―「強みと弱み」「引き金」「学習方法」を知る
正確な自己評価は成果を引き出さない、(現実的でなくても)自信だけが成果を引き出せる
●目の前の課題のむずかしさについては100%現実的に評価し、それを乗り越える自分の能力については非現実的なまでに楽観する
●すぐれたリーダーは、普遍的なことを発見して、それを活用する
●「明確さ」―誰のために働くか、核となる強みは何か、核となる尺度は何か
●自分がしたくないことを見つけ出し、それをやめる
●最高のリーダーは、考える時間を作る、慎重にヒーローを選ぶ、練習する

最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと
最高のリーダー、マネジャーがいつも考えているたったひとつのこと Marcus Buckingham 加賀山 卓朗

日本経済新聞社 2006-01
売り上げランキング : 878

おすすめ平均 star
starそこまで評価が高い?
star調査と科学に基づくリーダーシップ論
starミドルマネジャー以上の人にとっては必読

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『コンサルタントの「質問力」』

野口吉昭さんの著書、「コンサルタントの「質問力」」を読んだ。
コンサルタントに限らず、質問力はビジネスパーソンならば誰でも持っておきたいスキルであると感じた。
なぜならば、質問力とは言い換えれば、問題の本質にたどり着く力だからだ。
著者はコンサルタントの質問力は、「仮説力」「本質力」「シナリオ力」の3つの力に支えられていると言う。
頭の中でいくつものシナリオを考えながら、仮説を立て、ずばり核心を突くような、もしくは核心に迫るような質問を投げていく。
その「why」の繰り返しの中で創発的に解を導きだす。
しかし本質を見つけ出すのは何もコンサルタントだけの仕事ではない。
潜在ニーズは何だろうか、会社の抱えている問題の本質はどこにあるのだろうか、と言ったことはビジネスパーソンであれば常に考えていることだろう。
逆に言えば、優れた解決策やアイディアを生み出すには、「質問力」が不可欠なのかもしれない。
以下、自分用のメモ
●聴く態度を身につける
●本質を捕らえた鋭い質問やまとめを挟む
●事実、全体像、選択肢を組み合わせる
●仮説を立てるための事前リサーチをおろそかにしない

コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書)
コンサルタントの「質問力」 (PHPビジネス新書) 野口 吉昭

PHP研究所 2008-03-19
売り上げランキング : 3042

おすすめ平均 star
starルビコン川を渡る
star質問の本質を高めてくれる
star自分のレベルが見抜かれている!?

Amazonで詳しく見る by G-Tools

『不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか』

「不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか」を読んだ。
内容としては以下のようになる。
問題提起:
今の日本企業は社員がお互いに協力できない
原因:
①組織がタコツボ化し、自分以外の仕事がわからない
②社員同士がお互いを知る機会が減り、協力しようとも思わない
③転職が当たり前になり、長期雇用を保証されるよりも自分のスキルを磨くことが重要と考える社員が増え、自分のスキルがアップするかで仕事を選ぶようになった
解決策:
ビジョンの徹底共有、アイデアを積極的に取り入れる努力、社員旅行などのインフォーマル活動の見直し、損得「勘定」ではなく「ありがとう」という感情にうったえる言葉を社員にかける
正直、あまり目新しい発見はなくてちょっと残念だった。
文章自体もダラダラしていて、結論をなかなか話さない。
しかもやっと出てきた結論も特に面白みもなく、独自のメッセージがあるようにも思えない。
読んでいるうちにだんだん同じことばかり言われている印象を受け、思わずページ数稼ぎかと邪推してしまった。
しかし、第4章の「協力し合う組織に学ぶ」は、実際に協力しあえる環境作りに取り組んでいるGoogleなどの会社が扱われていて面白い。
まとめとしては、社員が生き生きと働ける会社を作るには、社員一人一人が当事者意識を持てるような組織を作ること。
そのためにはビジョンの共有を徹底すること。
そして、いいアイディアは年齢やポストに関係なくどんどん活用していく社風を作ること、だろうか。
それにしても、心に残る中身が何もない一冊だった・・・。

不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書)
不機嫌な職場~なぜ社員同士で協力できないのか (講談社現代新書) 河合 太介

講談社 2008-01-18
売り上げランキング : 2512

おすすめ平均 star
star相互扶助、思いやりの精神が成長の源泉!!当然のことを思い出させてくれる良書
star自分が職場を不機嫌にしないために...
starまずは 人柄と信頼  わかっちゃいるど・・・

Amazonで詳しく見る by G-Tools

1分間リーダーシップ―能力とヤル気に即した4つの実践指導法

ケネス・ブランチャードさんの著書、「1分間リーダーシップ―能力とヤル気に即した4つの実践指導法」を読んだ。
著者はリーダーシップについて、マネジャーと部下の関係を以下のように表している。

「責任を持つのはあなたの部下であり、あなたの仕事は部下の要求に応じてやることだと考えれば、あなたが同意を与えた目標を達成するために部下が必要とする資源を準備したり、作業条件を整備してやることに、あなたは本当に一生懸命になります。
(中略)
袖をたくし上げ、部下が勝者になるのを助けることになります。」

では、優れたマネジャーと言うのはどのように部下の要求にこたえるものなのか。
良くあるのが、専制的なマネジャーか民主的なマネジャーのどちらかだと自分の立場を決め込んでしまう場合だが、それは著者に言わせれば半人前だ。
そもそもリーダーシップスタイルには「指示型」「コーチ型」「援助型」「委任型」の4種類がある。
そしてそれらを、部下のやる気や適応力に応じて「柔軟に」使い分けられなければならないのだ。
著者はこれを「状況対応型リーダー」と呼ぶが、それを定義すると以下のようになる。

まず、第一にいろいろなリーダーシップ・スタイルを柔軟に使い分けることができなければならない。第二に監督している部下たちの要求を診断する方法を知らなければならない。そして、第三に部下たちと何らかの合意をとりつける方法、つまり、部下があなたから必要とするリーダーシップ・スタイルについて取決めをかわす方法を知らなければならない。

本書では4つのリーダーシップ・スタイルについて、また、それぞれどのような部下に適しているかについて、そして、「状況対応型リーダー」をどう実践していけばいいかについてを物語形式で非常にわかりやすく解説してくれる。
私はつい最近までは、「自分がリーダーになるときは、民主的なリーダーが理想だろうか、でもやっぱりある程度専制的な要素も必要なのだろうか・・・」などと悩んでいたが、本書を読んではっきりと、民主的な対応も専制的な対応もどちらもできなければならないし、それらを部下一人一人のやる気や適応力に応じて柔軟に使い分けなければならないのだと納得した。
リーダーシップに悩む人にお勧めの一冊だ。
以下、自分用のメモ
●指示的行動 「構造化する」「コントロールする」「監督する」
●援助的行動 「賞賛する」「傾聴する」「促進する」
平等でないものを平等に扱うことほど不平等なことはない。
●同じ相手でも仕事の内容次第で対応音仕方を変える
●部下を訓練する場合、褒めること以上に、自分がミスしたことを進んで認めるようでなければならない
●状況対応的リーダーシップとは、部下に対して何をするかではない。部下といっしょに何をするかである。

1分間リーダーシップ―能力とヤル気に即した4つの実践指導法
1分間リーダーシップ―能力とヤル気に即した4つの実践指導法 小林 薫

ダイヤモンド社 1985-09
売り上げランキング : 59544

おすすめ平均 star
star理論を「感じ取る」
starSL理論
starリーダーシップの発揮の仕方がこれでわかる!

Amazonで詳しく見る by G-Tools